2007年10月10日(水)18:07

欧州議会もEU改革条約の修正を希望

ブリュッセル(AP)

リスボンでのEU首脳会議を一週間後に控え、依然EU改革条約に関する意見の相違が払拭されていない。イタリアのロマーノ・プローディ首相と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は水曜日ブリュッセルで会談し、リスボン首脳会議で改革条約が採択されるだろうとの確信を表明した。「最後のハードルを越えることが肝要だ」とバローゾ委員長は述べた。しかし欧州議会は修正の希望を伝えた。

欧州議会のEU改革条約交渉担当を務めるキリスト教民主同盟(CDU)所属のエルマー・ブローク欧州議員は、データ保護ならびに外交安全政策上級代表の任命に関し、明確化が必要だ、と述べた。「数日中に文言を詰める必要があると考える」。しかし全体として改革条約は明らかな進展である。「これまでEUが抱えていた民主主義の欠損は完全に解消される」、とブローク議員は欧州議会の討論で発言した。

欧州議会はデータ保護に関する提案により、アメリカ合衆国との乗客データ交換協定など、EU各国政府が第三国への個人情報伝達を欧州議会のチェックなしに決定できるという状況を改善したい意向である。「市民の情報は議会や裁判所の監督なしに引き渡されてはならない」とブローク議員は欧州議会を代表して要求した。

EU外交安全上級代表の任命に関しても、各国政府だけで決定する状況は改めねばならない、とブローク議員は述べた。これまでもっぱら各国政府の決定機関たる欧州理事会の代表であったEU外交安全上級代表は、改革条約では同時に欧州委員会の副委員長を務めることになる。「欧州委員会委員長は上級代表の選出にあたり発言権を持たねばならない」とブローク議員は求めた。

ポーランドへの譲歩に対する警鐘

ブローク議員とともに改革条約の交渉で欧州議会の利益を代表する、自由党系のアンドリュー・ダフ議員(イギリス)と社会民主党系のエンリケ・バロン・クレスポ議員(スペイン)は、ポーランドに対してこれ以上の譲歩を行なわぬよう警告した。ポーランド政府は、6月の首脳会議で得られたEUの決定手続きに関する妥協案をEU改革条約に明記することによって重みを持たせようとしている。これまで、いわゆるイオアニナ条項は声明に言及されているだけである。声明は条約の条項よりも将来的に修正が容易である。

欧州議会にくすぶる不満の一因には、条約改正と同時に行なわれる議席の削減もある。議会は(明日)木曜日に2009年に実施する議席の削減を決議する。特に多くの議席を失う国々が来週の首脳会議で一種の補償を求めることが危惧される。

イタリアは6議席を返上する見込みであるが、ロマーノ・プローディ首相は自らの政府に関してはそのような補償を否定した。「私たちは(改革条約の)批准後におそらく議席数をあらためて検討するかもしれないが、それ以前には行わない」。改革条約の批准は早ければ2008年末に完了する可能性がある、とプローディ首相は述べた。

原題:Auch das EU-Parlament hat noch Aenderungswuensche zum Reformvertrag




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